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齋藤 典久展 [2016]

齋藤 典久 展
2016.11.4(金)〜11.15(火)


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2016年4月、5年振りにアイルランドを旅した。
アラン島の港は相変わらずの風景で、吹きさらしの風が舞い、幾度と訪れた記憶が蘇る。
今回の旅の目的は、十数年の制作の拠点としてきたアラン島を訪れること、
もう一つはアイルランド本島にある「Bog」(湿原)とアイリッシュロマネスクの傑作と
謂われるレリーフのある教会をどうしても訪れたかった。

石の島
アラン島をモチーフに何枚描いただろう。
アラン島のとどまることのない大気の変化は、自分も含め全てのものの輪郭を緩め、地と
空とが一体となった風景の原形を見せている。いにしえから延々と続いていてきたであろ
う光景
    ”風景にして風景にあらず”
         ー多分先人達も見ていた。
Bog
bogとは植物が腐食して泥炭担った湿原地をいう。湿原の植物が長い時を経て腐食し堆積
した泥炭を掘り起こし自然乾燥させたものをpeatといい、暖炉やキッチンの燃料に使う。
ボグを掘り起こす(digging)作業中に、2,000年前のバターの塊が出てきたり、いにしえび
とやケルト人のミイラが綺麗なままで発掘されて来た。
一見して樹木もない吹きさらしの湿原が水平線まで続く。
Bogの地の中では生命の循環と再生が延々と続いている。

この展覧会では硬質な地面を持つアラン島と足元で蠢く柔らかな土壌を持つBoglandを
展示している。
                                   齋藤 典久



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blue bog




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bog field

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