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ART SELECTION 2017

3×1

11月3日(金)〜11月日14(火)
11:00〜18:00

11月8日(水)、9日(木)休廊

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LANDSCAPE - 昼夜図
加藤 栄吾

若い頃に抽象表現主義の影響を受けている。「デ・クーニング「マーク・ロスコ」そして最も色
濃く心に残るのは「ジャスパー・ジョーンズ」好き嫌いで言えば、それ程、好きでは無いかもしれ
ない。「ジョーンズ」の描くモチーフは、ターゲットであったり、国旗であったり、それまでの絵の
モチーフでは考えられないものばかりで、色とは?と言えば「赤・青・黄色」の三原色を基準にした
「グレー」一見、理論的のようだが、これほどいい加減に思える色も他にない。では何処に惹かれた
のかと言えば、やはり絵肌、その画面への視覚的な触れ方なのだろうと思う。
 私にとっての絵画はいつの時にも迷いの中にある。『LANDSCAPE - 昼夜図』は、今までの私の
仕事からすると、中心から少し外れたところにある。もともとは抽象的なイメージからスタートした
ものだが、いろいろやり尽くしたあげくに今の画面に落ち着いた。二つのカラーパネルを組み合わせ
る事は、予想を超えてブレが生じる。(そこが面白いと思いながら。)それでも、イメージの中心に
あるのは、「色、質、構図」である。今までの「庭」「差し込む光」「Scene]のシリーズは、写真などの画像イメージを使っているにもかかわらず、同じものを繰り返し描く事で、それをシンボリック
な美意識に昇華させようとしてきた。心のどこかで「腑に落ちる構図」を追い求めていたように思う。
この『LANDSCAPE - 昼夜図』はシンプルな色彩と物質的な表面と今まで以上に図としてのシンボリックなイメージを創り出したいと思っていた・・・・のだが・・・。






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「まく人」
坂本 匡之

線を引く

 テンペラ混合技法という厳飯い名前のついている方法で描いています。実はそんなに技法に精通している訳ではなく、「長い時間をかけて描く」という目的のためにこの技法にたどり着きました。
 ゆっくりと一本一本の線を引く時間は、長い散歩にでも出掛けたような透明な世界を見せてくれます。
 アクリル絵具で大きな剛毛を使い、どんどんと変化させながら描いた時は一瞬一瞬の痕跡をこれまた一瞬の判断で先を見据えていました。その繰り返しに価値観を見つけていたのですが、突然にその価値観を見失ってしまったのです。描く道筋をなくしてしまいました。
 4年程描くことから遠ざかり、その後ゆっくりとスケッチを始め、手の動きからものを考えようと試みました。色鉛筆を使い、水彩を使い。すると時間の経過そのものが画面に残っていく感覚が訪れます。ただ描く事を単純に続けていく。
 描く対象は具体的でありながら、残る痕跡が示す時間が非常に抽象的に自分を作り上げている様な気がしていました。
 線を引き続ける今の作品は、こんな経験の中から生まれています。
 描く時間そのものを表現の根幹として、ゆっくりと作品と向かい合うことができる事が必要だったのです。今その表現の立ち現れ方に、自分を映しています。







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「returning」
 齋藤 典久

 「風景ニシテ 風景ニアラズ
   風景ニアラズシテ 風景ナリ」

これは現在の作品のシリーズに取り組み始めて数年経った頃、信に置く先輩画家が私に向けた言葉だった。
その作品の制作のきっかけになったのは大西洋に浮かぶ小さな石の島アラン島。
訪れる度、この島の深淵さと長い時間の息遣いを感じる。遠くには刻々と変わる大気と海界、ザラリとした石の地平線、風に剪定されたかの様な緑の雑草、そしてクネクネと続く石塀が海と風の音と共にあり続ける。
この光景は島の全てのモノに名称のなかった太古から現在まで変わらぬ姿をさらけ出している。
今の私の仕事は、島を構成するエレメントと其処此処に宿るスピリットを画面に持ち込めないかと、描いたり拭ったり削ったりを繰り返す。微かに残るものを期待して。
 




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